熱 空 B L O G

HOTSKY member blog
2005年08月02日
なんにも言うことはない。
頭の中はザッハトルテ(洋菓子)のように、しっとりと落ち着いている。
だからといってババロアのようにねとっとしているわけでもなく、
モンブランのようにむにょっともしていない。

*拾得物*

今日はいい拾い物をした。
夜の町を歩いていたら、道端にベンチプレス(40キログラム)が転がっていた。
そばに書置があって、「ご自由にお持ち下さい」。
しめた。と思ったのだが、用があったので、済んでから回収することにした。

用事は予想よりも長くかかった。
おまけに帰り道、ゲームセンターでガンダムSEEDをやったのでさらに遅くなった。
ちなみにプロヴィデンスガンダムに負けた。
あんまり外があっついので、好物のヨーグルトアイスを買って食べたことは、少し足並みを早めさせたかもしれない。

かくして元の道端に戻ってきた。
どこのどなたか存ぜぬが、少し錆びついているとはいえ、まだまだ立派に使えるものを。
この汚い字(油性マジックで書いたと思われる)のタッチは50代くらいのおっちゃんのものかな。
まぁともかく、なんたる僥倖。
ありがたく頂戴すべく、えいやと持ち上げ、持ち上げて五歩歩いた。


後悔した。


僕の細腕には、到底見合わぬ代物であった。
棒に刻まれた滑り止めの糢様が掌にキリキリと食い込む。
ふしだらな諦めの実の妖しい香りが僕の鼻腔をくすぐる。
なにかに追い込まれた、僕の頭脳内をお見せしよう。

*独白*

置こう。これをすぐに置こう。
そして何ごとも無かったかのように帰るんだよ。
そうだ、今日発売の少年ジャンプまだ読んでないじゃん。
っていうかさ、こんなの家まで持って帰ったら手とか肩とか、かなり痺れそうじゃん。
おまえの両手はこんな武骨なものを持つためだけにあるんじゃない。
もっとさ、繊細で、美しいものを持つ、触れる為にあるものじゃないのかな?
そうさ、例えば花。
例えば本(マンガ)。
例えば…お、お、お女の子っ?
そういうモノたちのために僕の両手はあって然るべきだよ。
…。
う〜ん、ちょっと違うな。
僕の両手がそんな理由では納得できないって言ってる。
どうしたものか。
…あっ。
そうだ、そうだよ。
重りをとめるビスが緩んでるんだよ。だから置くんだ。
うん、おまけにちょっと持ち方が悪かったんだよ、そうだよ。
ちゃんと持ち直すために置くんじゃん?
うん、大丈夫、うん、俺大丈夫。きっとうまくいくから。
全然余裕のよっちゃんだよ。
…。
…逃げ?うん、これって逃げ?
いや、俺は選んだの。これを置くことを選んだの。
選んだからには、この選択をした結果を受け入れることになるの。
そのリスクを全て受け入れるから、逃げたことにはならないの。
うん。僕は選んだのだよ。
そうだね。
全てを受け入れよう。自分の悪いとこ、弱いとこ全て認めてやろう。
そこから何ごとも始まるんだ。
そうだ、僕はこの鉄塊を置くことで、新たな自分を始めるんだ。
うわっ、新しい自分発見しちゃった!
自分探しの第一歩だね!人生って自分探しの連続!!
すごい、こんな自分いたんだ!「ベンチプレス置きたい自分!」
新しい自分さん、こんにちは。
今までの自分さん、さようなら。
…さようなら?
違うって、今までの自分も全部も、ひっくるめての自分だって!
だから、自分、昔の自分、これからの自分、あらためて、宣しくお願いします!!

「ゴイン。」

夜も遅いから静かに地面に降ろした。
だって乱暴に降ろすと、金属音がものすごいでしょう。
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